世界海垣インカチサミットin白保 7カ国12地域から参加

白保集落では、2006年に海垣を地域を挙げて復元しました。その過程で国内外の多くの類似の漁具を有する地域との交流が始まりました。世界海垣サミットは、伝統的な漁具を有する地域が一堂に会し、その歴史と現状、活用の可能性について意見交換を行うことで、世界の人と海との良好な関係を再構築するヒントを得るとともに、参加地域の友好親善を図ることを目的として世界各地の賛同を得て開催します。
2010年10月、「世界海垣サミットin白保」には、世界7カ国から12地域が参加し、「里海(SATOUMI)づくりを目指して」をテーマとして、取り組みや課題について意見交換を行い、12の参加国・地域間で里海共同宣言の合意が行われました。

世界海垣サミットin白保


 

宣言文
海岸に石垣を築き潮の干満で魚を捕る原始的な漁具「海垣」は、かつて世界各地に分布していましたが、漁 具や漁法が変化する中で利用されなくなり、そして失われていきました。近年、沿岸地域の人々の手を加えることで生物多様性を豊かにし、海の恵みを持続的に 利用する「里海(SATOUMI)」という考え方が注目されるようになっています。「海垣」はまさにそのシンボルといえます。

今回、石垣島白保からの呼びかけに、「海垣」を有する世界7ヶ国及び地域から12の団体・代表者が石垣島白保に集まりました。参加者のそれぞれの地域で は、人と海とのつながりを色濃く残す歴史文化遺産としての「海垣」を大切に維持・管理しています。また、環境教育や体験漁業の場として新しい価値を見出す ことで、沿岸環境の保全や資源管理、地域の活性化に取り組んでいます。

この、世界海垣サミットを契機として、参加国・地域が連携・協力しながら伝統的な人と海との関わりを受け継ぎ、沿岸域の暮らしと豊かな自然環境を維持するSATOUMIづくりに取り組むことをここに宣言します。

一、人と海が調和して暮らしていた時代の知恵や文化・技術を受け継ぎます。
一、伝統的な漁具・漁法を観光資源や環境学習の場として活用し、人と海との絆を回復します。
一、多様な生態系サービスを暮らしに取り入れ、自然と共生する豊かな暮らしを実現します。
一、地域と関わりの深い沿岸海域の環境保全に対する責任を自覚し、地域の海は、地域で守ります。
一、参加国・地域間の友好親善を図り、SATOUMIづくりを促進します。

2010年10月31日
日本・沖縄・白保


世界海垣サミットin白保 主催:WWFジャパン 白保魚涌く海保全協議会
住友生命保険相互会社様による支援と、独立行政法人国際交流基金の助成金をもとに開催しました。