白保自治公民館・白保魚湧く海保全協議会

白保海域等利用に関する研究者のルール

背景
白保は村人の暮らしの場であり、また村内で行われる神事や拝所など精神的に重要な場所が数多くあります。サンゴ礁の海もおかず獲りの場のほか、精神的な拠り所ともなっています。近年、白保への訪問者が増加しており、配慮の無い行動で不愉快な思いをするケースが見受けられるようになっています。

白保には全国から多くの学生や研究者の皆さんがサンゴ礁や歴史、文化など実に様々な調査・研究に訪れています。白保の貴重な文化や自然の状況について専門家の皆さんに調査・研究していただくことは学術的な成果に加えて、村にとって地域の状態を記録にとどめることが出来るなど非常に重要であると考えています。しかし、地域へ還元される例はそれほど多くありません。

白保公民館では、白保村ゆらてぃく憲章の策定や白保魚湧く海保全協議会の活動など、コミュニティによる伝統文化、自然環境などの地域資源の持続的な管理が始まっています。白保における村づくりの窓口が明確になっており、科学的な情報をコミュニティが受け入れるための基本的な枠組みが整備されています。

目的
本ルールは、調査・研究で白保を訪問する研究者の皆さんに、地域の暮らしに配慮し、円滑に調査・研究を進めていただけるよう白保集落としてご注意いただきたい事柄を示したものです。白保での研究を希望する学生や研究者の皆さんにとっては、白保地域内で実施された調査・研究の概要など関連情報の収集を円滑にすることができ、また、白保の村にとっては白保の文化や自然環境の保全継承に調査・研究成果を役立てることが出来るなど、両者にとってメリットのある仕組みを構築することを目的としています。

 

研究者の皆様にお願いしたいこと

私たちは、白保集落内はもちろんのこと海域を含めた地域内は白保共有の財産であると考えています。白保内で調査・研究を実施される場合は、白保公民館及び白保魚湧く海保全協議会に別添様式1に沿って事前の届出(少なくとも一週間前まで、海域の掘削やボーリングなど大規模なものは、県や漁協などに申請を行う時と同時に)をして下さい。協議会に提出いただければ、白保公民館に連絡いたします。 白保公民館、白保魚湧く海保全協議会では、届出に基づき必要に応じて集落内関係者や海域を利用する漁業者や観光事業者などに対して調査・研究活動について周知し、円滑な実施に向けた調整・支援を行います。

 

(1) フィールド調査に入る際の手続き

  1. 私たちは、白保集落内はもちろんのこと海域を含めた地域内は白保共有の財産であると考えています。白保内で調査・研究を実施される場合は、白保公民館及び白保魚湧く海保全協議会に別添様式1に沿って事前の届出(少なくとも一週間前まで、海域の掘削やボーリングなど大規模なものは、県や漁協などに申請を行う時と同時に)をして下さい。協議会に提出いただければ、白保公民館に連絡いたします。白保公民館、白保魚湧く海保全協議会では、届出に基づき必要に応じて集落内関係者や海域を利用する漁業者や観光事業者などに対して調査・研究活動について周知し、円滑な実施に向けた調整・支援を行います。
    届出内容:調査概要(テーマ、実施主体、目的、方法、期間、設置物などの図面、公的許可の必要なものは許可取得の状況、届け出内容の公表の可否など)

(2)白保で滞在中・調査中に配慮していただきたいこと

  1. 滞在中
    白保滞在中は、“白保村ゆらてぃく憲章”や“白保魚湧く海保全協議会の観光事業者の自主ルール”、“白保へお越しの皆様へ”などの各種ルールを遵守していただきたいと考えています。また、調査・研究内容の説明等を求められた際は、素人でも分かるような平易な言葉での説明をお願いいたします。
  2. 調査の実施
    拝所や個人有地などへ無断で立ち入ることがないようにして下さい。不明な点等があれば、しらほサンゴ村(TEL:0980-84-4135)へ問い合わせしていただければ、確認・調整いたします。海面利用についてもブイや計測機器の海上、海底への設置、サンゴやその他生物等の採捕を行う際は、その場所・内容等の報告をして下さい。調査の際の傭船やガイドを雇う場合は、なるべく白保地域内の事業者等を使用して下さい。(紹介・斡旋等は、しらほサンゴ村へ)
  3. 調査終了時
    調査・研究のために設置したものは調査者の責任の下に回収し、現状復旧を行って下さい。調査の全日程が終了後は、別添様式2に沿って調査・研究報告書を作成し、速やかに白保公民館及び白保魚湧く海保全協議会まで提出して下さい(提出窓口は、白保魚湧く海保全協議会事務局)。ただし、調査機器の交換やメンテなどで日程が短期間・不定期・複数回となる場合の提出方法については、あらかじめ白保魚湧く海保全協議会事務局までご相談下さい。

(3)調査・研究の成果について

  1. 情報・成果の共有
    白保において調査・研究を実施して得られた成果について、論文、紀要、学会発表、その他文章などを公表(卒論やレポートなどを含む)し、成果物(別刷またはコピー)を作成した場合、1部を白保魚湧く海保全協議会に提出して下さい。※ただし、調査・研究の成果を自己の研究以外の用途(刊行物や販売などに使用する場合)に利用する場合は公表について白保公民館及び白保魚湧く海保全協議会に確認して下さい。
  2. 交流・成果の還元
    白保公民館等から依頼があった場合、白保住民向けの報告会やレクチャー(子供向けのものも含む)などに出来る限り協力をお願いいたします。

白保集落及び海域における調査・研究 実施届出書/調査・研究報告書(pdf)

【届出書提出先】 白保魚湧く海保全協議会
【問い合わせ/取次】 しらほサンゴ村(WWFサンゴ礁保護研究センター)鈴木
〒907-0242 沖縄県石垣市字白保118番 TEL:0980-84-4135 FAX:0980-86-8865 E-mail:rintaro.suzuki@wwf.or.jp

実施届出書は、関係者への周知のため白保に入る一週間前までに白保魚湧く海保全協議会(取次:しらほサンゴ村)に、郵送か、メールでお送り下さい。本紙(捺印済みのもの)は、白保に来られる際にご持参下さい。